横浜市保土ケ谷区にある母乳と育児の相談室「スマイルベビー」の助産師のやないです。母乳育児中のお母さまのお役に立ちたいと、経験と科学的な根拠に基づいてこのブログを書いております。参考にして頂きたいと思いますが、すべての人に当てはまるとは限りません。必要に応じて助産院や病院を受診することをお勧めします。
お困りの方はスマイルベビーの母乳外来、訪問母乳相談、オンライン相談もご利用ください
赤ちゃんに授乳している時に先っぽ(乳頭)が痛い
母乳育児期間中の方からおっぱいの先(乳頭)が痛いという相談を受けることはよくあります。
そんなときは、赤ちゃんへの授乳タイムが苦痛なものとなり、気持ち的にも授乳がしんどくなってしまいますね。
おっぱいの先っぽが痛い場合は、大きく以下のような二つの状態に分けられます。
- おっぱいの先(乳頭)に傷があるなど痛みを感じる皮膚の状態になっている
- 炎症など何らかのおっぱいトラブルがある
傷だけなのかトラブルも起こしているのか自分では分からない、または傷もトラブルも両方起こしているということもよくあります。
状態の違いはあっても、授乳期間中におっぱいの先っぽが痛い場合に自分でできるセルフケアはほとんど同じです。
赤ちゃんの授乳期間中に乳頭が痛い場合は深い位置での授乳が大事
赤ちゃんが深くくわえられるようにする
おっぱいの先が痛い場合には、赤ちゃんにおっぱいをなるべく深くくわえさせて授乳できるようにしたいです。
まだ素直にこちらのやらせた通りに飲んでくれる時期の、大体生後1~2か月位までのお子様の場合はお口を大きく開けたタイミングでママのおっぱいを口にふくませます。
乳房に吸い付かせるイメージで、なるべく乳輪まで全部赤ちゃんのお口に入るくらいに深くくわえさせるのが理想です。
もう少し月齢が進んだ赤ちゃんは、深くくわえさせても自分でいつもの位置に変えたり、なかなかこちらの思うようにしてくれないことが多いです。
特にトラブルを起こしている場合や母乳分泌が良くて乳汁がたまりがちな場合は、そこでバトルになってしまって赤ちゃんが飲まないよりも、赤ちゃんが吸ってくれることの方が大事です。
トライしてみてダメだったら無理強いせずに、いつもの慣れた飲み方で授乳しましょう。
授乳の時に赤ちゃんのお口が当たる角度を変える(抱き方を変える)
いつも同じ抱き方で授乳している方の場合は、授乳の時に赤ちゃんのお口はいつもおっぱいのだいたい同じ場所にあたります。
授乳の時の抱き方を変えることで赤ちゃんのお口があたる場所が変わり、おっぱいの先っぽ(乳頭)の痛みがましになることがあります。
抱き方を変えた場合も、月齢が大きい赤ちゃんはいつもと違うことに戸惑ったり、嫌がったりすることがあります。
また、月齢が低い赤ちゃんはいつもと違う抱き方だとうまく飲めている感じがしない場合もあります。
赤ちゃんが嫌がったり、うまく飲めている感じがしない時はいつもと同じ抱き方で授乳した方が良いでしょう。
赤ちゃんが深い位置で授乳しやすいよう乳輪・乳頭を柔らかくする
赤ちゃんに深く吸い付かせようとしても、お口を当てた部分が固いと赤ちゃんが滑ってしまって浅くなってしまいます。
乳輪・乳頭が柔らかいと赤ちゃんが滑りにくく、ママのおっぱいを深い位置でくわえた状態で飲むことが容易になります。
柔らかくするため自分でできるお勧めのマッサージがあります。
搾乳機は使用せず、痛くない程度の力で自分の手でマッサージしましょう。
搾乳機を使用したり、痛みを伴うくらいに強い力でマッサージをしてしまうと、むくんでしまってかえって痛みが強くなったりすることもあります。
マッサージの仕方は「妊娠中から母乳育児のために 乳頭・乳輪の準備」動画の0:23から0:56のところの三本の指で縦に圧迫する動きが参考になると思います。
授乳中、先っぽが痛い時に授乳の工夫以外にできること
クリームを塗る
即効性はありませんが、ラノリンや馬油など授乳中の方のためのクリームを塗ることも痛みの軽減につながることがあります。
乳頭にクリームを塗ることで皮膚を保護してくれたり、皮膚を柔らかくしてくれることを期待します。
授乳を中止して休ませる
特に傷が原因でおっぱいの先の痛みが強い場合には、授乳を一時的に中止することで傷が癒える時間を作ることができ、痛みの改善につながることがあります。
痛みの原因としておっぱいトラブルが疑われる場合は授乳を中断すると悪化する可能性もあるので、助産師など専門家に相談した上でお休みすることをお勧めします。
授乳を中断する場合、ママの体は母乳を作り続けるので、母乳を絞る必要があります。
しぼる頻度はどのくらい分泌しているかによって違います。
先っぽ(乳頭)の方が痛い場合は、搾乳機を使用してしぼると刺激が強すぎて痛みが増すこともあるため、手しぼりがお勧めです。
おっぱいの先っぽの痛みが改善しない場合
書いてあることを試してみたけど、痛みの強さが変わらない、または痛みが増しているという場合は母乳外来または病院へ相談しましょう。
おっぱいの先(乳頭)の痛みには赤ちゃんのお口や舌の使い方も影響しますし、ママのおっぱいの形、乳頭がどのくらい突出しているか、乳頭の大きさなども影響します。
特に赤ちゃん自身のお口や舌の使い方、ママのおっぱいの形が原因でうまく飲めていない場合は、退院後すぐなどの生後なるべく早い段階から母乳外来へ相談することをお勧めします。
赤ちゃんがうまく飲めるようにしていくためにどうしていけば良いか、アドバイスをもらいながら授乳をしていくことをお勧めします。
母乳外来や出張・訪問母乳相談などのケアをご希望の場合は、スマイルベビーへお問い合わせからお気軽にご相談ください。(オンライン相談もご利用いただけます。遠方の方もお気軽にご相談ください。)
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